泌尿器科
泌尿器がんとは
泌尿器がんとは、腎臓(腎実質・腎盂)や尿管、膀胱、尿道からなる尿路に発生するがんに加え、前立腺・精嚢・陰茎などの男性生殖器、さらに副腎や後腹膜に発生する腫瘍を含む総称です。がんの種類によって症状や進行の仕方、治療法が異なります。
早期には自覚症状が乏しい場合も多く、検診や尿検査、画像検査で偶然見つかることもあります。
気になる症状や検査異常を指摘された場合は早めに泌尿器科へご相談ください。
代表的な泌尿器がん
-
前立腺に発生する悪性腫瘍で、加齢とともに発症率が増加します。
初期はほとんど自覚症状がありませんが、進行すると尿が出にくい、尿の勢いが弱い、頻尿・夜間頻尿、血尿、腰や背中の痛みなどの症状が現れることがあります。
早期発見が予後に大きく影響するため、特に50歳以上の男性は定期的な検診が推奨されます。
受診の目安
- 尿が出にくい、尿の勢いが弱くなった
- 頻尿や夜間頻尿が気になる
- 血尿が出た
- 腰や背中に痛みがある
検査・診断
症状や経過をお伺いしたうえで以下の検査を行います。
- PSA(前立腺特異抗原)検査:血液検査で前立腺の状態を評価。高値の場合は詳しい検査が必要。
- 直腸診(DRE):前立腺の硬さやしこりの有無を確認。
- 画像検査(MRI・CT):前立腺内部や周囲への広がりを評価。
- 前立腺生検:必要に応じて組織を採取し、がんの有無を確定。
これらを総合して診断を行います。
治療について
がんの進行度や年齢・全身状態に応じて治療方法を選択します。
手術療法
前立腺全摘術などでがんを切除します。
放射線療法
外部照射や小線源治療で前立腺内のがんを治療します。
薬物療法
ホルモン療法や抗がん剤療法でがんの進行を抑制します。
経過観察(Active Surveillance)
低リスクのがんでは、定期検査で経過を観察することも選択肢の一つです。
-
膀胱がんは泌尿器がんの中でも頻度の高いがんの一つで、9割以上は膀胱の内側の尿路上皮から発生します。発症は男性に多く、喫煙者は非喫煙者の2〜4倍リスクが高いとされています。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)、排尿時の痛みや違和感、頻尿、残尿感などの症状が現れることがあります。
早期発見が治療効果に直結するため、血尿や排尿異常が続く場合は早めの受診が推奨されます。
受診の目安
- 痛みのない血尿が出た
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 頻尿や残尿感が続く
検査・診断
症状や経過をお伺いしたうえで以下の検査を行います。
- 尿検査(尿潜血):血尿の有無を確認。
- 膀胱鏡検査:膀胱内部を直接観察し、腫瘍の有無を確認。
- 超音波(エコー)・CT・MRI:がんの深さや広がり、転移の有無を評価。
- 尿細胞診:尿中のがん細胞を顕微鏡で確認。
これらを総合して診断を行います。
治療について
がんの進行度や広がりに応じて治療方法を選択します。
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)
内視鏡で膀胱内の腫瘍を切除します。初期の主な治療法です。
膀胱内注入療法(BCG療法・抗がん剤注入)
再発予防や初期浸潤がんに使用します。
膀胱全摘術
進行した場合に膀胱を切除し、尿路を再建します。当院では必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。
化学療法・放射線療法
進行がんや転移がある場合に併用します。
-
腎臓は全身の血液をろ過して尿を作る臓器で、握りこぶし大のそら豆のような形をして背中の両側に位置しています。腎がんはこの腎臓の尿細管から発生するがんで、男性にやや多く、加齢とともに発症リスクが高まります。
初期には症状がほとんど現れないことが多く、健康診断や画像検査で偶然見つかることもあります。進行すると血尿、腰や脇腹の痛み、腹部・背中のしこり、発熱・倦怠感・体重減少などの症状が現れることがあります。
受診の目安
- 血尿が出た
- 腰や脇腹に痛みがある
- お腹や背中にしこりを感じる
- 発熱や倦怠感、体重減少が続く
検査・診断
症状や経過をお伺いしたうえで以下の検査を行います。
- 尿検査:血尿の有無を確認。
- 血液検査:腎機能や全身の状態を評価。
- 超音波(エコー):腎臓内の腫瘍の有無を確認。
- CT・MRI検査:腫瘍の大きさや位置、周囲への広がりを評価。
- 生検(必要に応じて):腫瘍の種類を確定するため組織を採取。
これらを総合して診断を行います。
治療について
腫瘍の大きさや進行度、年齢や全身状態に応じて治療方法を選択します。
手術療法
腎臓の一部(部分切除)または全体(腎全摘)を切除します。当院では必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。
薬物療法
進行した腎がんでは分子標的薬や免疫療法を使用します。
経過観察
小さく進行の遅い腫瘍では、定期検査で経過を観察することも選択肢の一つです。
-
精巣は陰嚢内に位置する卵型の臓器で、精子の生成と男性ホルモンの分泌を担っています。精巣がんは精巣に発生する悪性腫瘍で、若年男性(20〜40歳代)に比較的多くみられます。
初期には自覚症状がほとんどないことが多く、しこりや腫れ、陰嚢の重だるさに気づいて受診される方もいます。進行すると陰嚢や下腹部の痛み、腰や背中の痛み、時に乳房の張りや呼吸器症状が現れることもあります。
早期発見が予後に大きく影響するため、気になる症状がある場合は早めに受診することが重要です。
受診の目安
- 精巣にしこりや腫れがある
- 陰嚢に重だるさや違和感がある
- 下腹部・腰・背中に痛みがある
検査・診断
症状や経過をお伺いしたうえで以下の検査を行います。
- 超音波(陰嚢エコー):精巣内部の腫瘍やしこりを確認。
- 血液検査(腫瘍マーカー):AFP・hCG・LDHでがんの存在や進行度を評価。
- CT・MRI:転移の有無や範囲を評価。
- 精巣摘出生検(必要に応じて):確定診断と治療を兼ねて腫瘍のある精巣を摘出。
これらを総合して診断を行います。
治療について
腫瘍の種類や進行度、年齢や全身状態に応じて治療方法を選択します。
手術療法
精巣摘出術(腫瘍のある側の精巣を摘出)を行います。当院では必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。
化学療法
転移がある場合や再発予防のために行います。
放射線療法
特定の種類の精巣腫瘍に対して使用されることがあります。
経過観察
低リスクの症例では、摘出後に定期的な検査で経過を観察します。